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2010.05.01
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7月28日
夏休みになると小学校の自由研究が楽しみだった。ミカンの木に付いているアゲハの幼虫は、つつくとオレンジ色の触角といやな臭いを出すので女性に嫌われることが多いが、実は、触わるときめの細かい、シルクのような肌触りなんだとみんなに教えてまわったり。ある時は大根の葉に付いた青虫を丸めて運ぶ足長バチの様子や、炎天下に延々と続くアリの引越しを観察したり。そんなある日、バッタに集まるアリの群れを見つけた。大きな獲物に忙しく動き回っていたが、そのうちバッタの周りに砂粒を集め出した。初めての光景に何をしているのかと見ていると、ほぼ体を覆った頃、大粒の雨がポツッ、ポツッと落ちてきてあっという間に夕立になった。人間には入道雲は見えるけれど、こんな小さなアリが分かるなんて…と、とても興奮して絵日記に書いたのを思い出した。時に小さな生き物の知恵に驚かされてしまう。だから、今でも生き物を見るのがとても好きだ。

ニッコウキスゲ
7月24日
通り道でゴホゴホと咳をしている女性を見かけた。夏の風邪は長引くから大変だな、と思っていたら私も数日後に喉が痛くなってきた。早めが肝心と病院に出かけたが、数年ぶりのことで、診察券は探したのに保険証を持って行くのを忘れ、慌てて取りに帰った。お薬をいただいたのだが、全く治る気配もなく相談室日誌も気になりつつも更新されないまま日が経ってしまった。毎日うがいもしていたのに、この暑さに体力が落ちていたのか。友人のエジプト人から「サラーマトキ(お大事に)」と言っていただいた。ようやく落ち着いてきましたが、本当に夏風邪は長引きます。皆様もお気を付けください。

夾竹桃(キョウチクトウ)
7月15日
遅れて始まった梅雨は、それまでの雨量を取り返すかの如く、スコールのように降り続いている。先週末から今週にかけても台風のような雨が降り続き、今年の夏祭は屋台の盛り上がりも今一つだった。かく言う私はそんな土砂降りの中を、カッパを着て自転車に乗るのが大好きなのだが、周りの友人は連日の雨にうんざりしている。一年中ほとんど雨の降らないアラブ圏から来た友人たちにこの梅雨の感想を聞くと、「ジャミール。ジッダン(本当に美しいです)」と答えてくれた。確かに、殆ど雪の積もらない土地に生まれた私も、しんしんと降り続く雪を見て感動するし、子供のようにはしゃぎたくなる。同じだなと思った。

スイレン
6月25日
以前オバマ大統領が来日した時の挨拶の仕方が話題になったが、私もイスラーム圏の方と挨拶する時に戸惑うことがよくあった。欧米では握手して肩を叩いたり抱き合ったりするようだが、知人のエジプト人は抱擁して両頬に軽くキスをする仕草をする。挨拶を交わす時は「アッサラーム・アライクム」と言ってにこやかに両腕を伸ばし、抱擁してほっぺにチュッ、そして反対側にチュッ…そして少し離れ、腕はまだ回したままで、会話をし…とイメージし、見よう見まねでいざ!ところが彼女の左頬にチュッとしようとすると相手は右頬に顔を寄せるので慌ててこちらも右側を向き、取りあえず両頬にチュッ。さて離れようとすると相手はさらに右頬にチュッ。旅行好きな知人にその話をすると、国や地域で違っていて、クウェートでは右‐左‐右、サウジでは右‐左‐左と挨拶するらしい。最初それを知らず、男同士なのに最後お互い正面を向いてしまいあわや!の状態になったとのこと。難しいんだな、と思いつつ、その後、別のエジプト人女性に聞いたところ「右からだけど…どちらからでもいいのよ」。多少違っていても心がこもっていればOKということなんだな。
アジサイ
6月19日
今月は何組かの結婚契約式に立ち会わせていただいた。大学時代にクラブ活動を通じて知り合われたり、職場で出会われたり、皆さま入信前からこちらに相談されてめでたくゴールインとなられた。そのうちの一組は数年前に相談室にご連絡いただいた方で、その後入信し、イスラームの勉強をしながら彼との愛を大事に育んでこられた。今回娘の結婚にご両親もとても喜ばれ、沢山の祝福を受けて本当に嬉しそうだった。娘を嫁に出して二人きりになり寂しいとお母様はおっしゃっていらしたが、孫が生まれれば寂しさも吹き飛ぶだろう。これからの皆さまのお幸せを心よりお祈りした。

シャクナゲ
6月12日
近くの川縁は憩いの場所となっているが、誰かが餌付けをしたらしく、トンビが群れて、手に持ったパンやお弁当をかっさらって行くという。近くのパン屋では、「トンビにご注意!」と張り紙も出してあった。トンビを間近に見られるのは大迫力だが、群れていると少し怖い気もする。大きな鳥といえば、最近街中でカラスが群れなくなってきたなと、自転車を走らせていると目の前を黒い塊がよぎった。何かと見ればそのカラスが歩道に降り、何かを咥えようとしている。そして飛び立った。後をけたたましく鳴きながら小さな雀が追いかけている。雛を咥えたんだ。カラスがゴミをあさるので、最近はゴミ袋が黄色になり、収集場所にはネットがかぶせられ簡単に餌を得られず、本来の捕食活動を始めたのだろう。他に雛は見当たらない。最後に残った雛だったのか、あんなに大きなカラスに向かって…と少し胸が痛くなった。
水芭蕉
5月29日
学生の頃、帰国される先生に先輩がドライフラワーを送ったことがある。自分でドライフラワーにしてアレンジし、きれいにリボンをかけて研究室に持って行ったところ、こんなものをプレゼントするなんてと激怒された。本人も周りも訳が分からず、茫然としていたら日本人の先生が「彼女の国ではドライフラワーは死を意味するのでそれを送るのは不吉なことなのです」と教えてくださった。先日、留学を終えて帰国予定のエジプト人に知人がお香をプレゼントすることになり、メッセージに「お香は虫除けにもなります」と書こうとしていた。それを知った友人が、イスラーム圏であるエジプトでは清潔を重んじるので、虫、ゴミ、汚れなどの文字そのものに不快感を示し、それは「あなたの家には虫がいる」というメッセージになると教えてくれ、彼は慌てて書き直していた。日本人なら、防虫にもなるなら箪笥の隅に入れておけば良い匂いもするし一石二鳥だと喜ぶところだ。国や地域によって文化の違いがあることは知っているが、では実際となるとあまり知らない。異文化交流って、こんな小さなところにもあるんだ、と思った一コマだった。

ポピー
5月18日
去年から今年にかけて、なぜか知人、友人、親戚のベビーラッシュだ。どの赤ちゃんもとってもかわいい。生まれたての小さな赤ちゃんのそばに人が集まると、自然に誰もが微笑んで幸せな気持ちになれるし、少々落ち込んでいても元気になれる。この小さな体のどこにそんなエネルギーがあるのだろうかと不思議に思うが、純粋な存在であればある程、無尽蔵のエネルギーを持っているのかもしれない。イスラーム圏では子供は恵みを持ってくると思われているので、養育費が心配で…など考えることがないそうだ。子だくさんのエジプトでは、国が産児制限をかけたところ国民から大反発を食らったという。友人のエジプト人家族に4人目の赤ちゃんが生まれた。日本では夫の立ち会い出産が普通になってきているが、イスラーム圏では親戚が集まってきて、奥さんの出産の立ち会いも、赤ちゃんや子供の世話も全部女性がやってくれるので、男性は出産に立ち会うことがまずないそうだ。彼は日本で奥さんの出産に初めて立ち会い、女性の出産がこんなに大変だとは知らなかった、女性はすごい、と感動している。子供をお腹に宿して、出産して、子育てして。女性ってすごいでしょう!とちょっと威張りたくなった。

パンジー
5月11日
アラビア語を習っている友人は、ゴールデンウィークを利用してエルサレムから死海へ行ってきたと、絵葉書を沢山見せてくれた。有名な黄金のドームのモスクには入れなかったけれど、すぐ近くまでは行けたこと。旧市街地は迷路の様で何回も道に迷ったこと。郊外は緑が少ないけれど、植林が進んでいること。ほとんど英語で通じるけれど、アラブの店で買い物をする時にはアラビア語を使ったことなど楽しそうに話してくれた。こちらは海外ではなく国内のサファリパークに行ってきたと言うと、サファリもアラビア語なのだと教えてくれた。サファリはサファリパークと言うくらいだから(動物が棲む)平原の意味?と思っていたら、アラビア語では旅という意味なのだそうだ。他には、サハラ砂漠のサハラは砂漠と言う意味。なので、サバク砂漠と言っているようなものだそうだ。アラビア語は英語と違って外来語としては日本人に馴染みがないと思っていたが、アルコール、アルカリなど結構身近にあるとのこと。他にどんな単語があるのだろう。アルの付く単語は…としばし考えた。

キンギョソウ
5月1日
先日、少し遠出をしようと電車を利用したのだが、ホームに立つと来るべき電車が来ない。乗り継ぎがあったので焦ってしまったが、思えば桜や紅葉、花火大会、事あるごとに遅れる在来線だった。陽気の良さと週末が重なったせいだろうか、遅れてきた電車は通勤時のように満員だった。山里を通る路線で、冬には「鹿と衝突し…」とアナウンスが流れたこともある。日本では滅多に電車は遅れないという先入観があるので、時刻通りに運行しないと戸惑ってしまうことが多い。先日エジプト旅行に出かけた友人は中国の黄砂の影響で飛行機が丸一日足止めを食らったそうだ。折しも、アイスランドの噴火でヨーロッパ経由は軒並み欠航になっていた。ゴールデンウィークを控えて旅行の計画を立てていた方は気が気ではなかったと思う。自然って、人の力ではどうすることもできないほどのパワーを持っているのだと再認識させられるのだが、足止めを食らった友人はそのおかげでエジプト人の友達ができ、習っていたアラビア語で片言なりにも話すと、大喜びで、もっと話せと拍手の嵐だったそうだ。カイロでの滞在は1日半短くなってしまったがとても思い出に残る旅となったそうだ。

ヤマブキ
4月30日
自転車に乗るのが大好きだ。子供の頃から自転車通学し、大人になるとツーリングを楽しんだりロードレースに出たりもした。今でも毎日のようにマウンテンバイクに乗っているが、通勤ラッシュの時間帯はとても神経を使う。今朝、青信号で横断歩道を渡っていると、左折車が急ブレーキとともにクラクションを鳴らして突っ込んできた。えっ、青だったはず、と一瞬ドキッとした。信号は青のまま、他の車は停車して歩行者を優先している。事なきを得たが、そのドキドキはしばらく続いた。いつからだろう、大きな通りでは救急車のサイレンが鳴っても車、人、自転車が交差点を渡り、その行く手をさえぎる光景をよく見かけるようになったのは。ひと時も無駄にできないと、また、約束の時間に遅れると急いでいるのだろうか。桜の季節は新緑の季節に移り変わった。雨上がりの木の葉が朝日を受けてきらきら輝いて見える。路側帯の木々には色とりどりに花が咲き始めた。信号待ちをしているときに周りを見渡し、そんな変化に気が付ける日々でありたいと思った。

杏(アンズ)
4月15日
以前新聞に連載されていた「ダーリンは外国人」という漫画が映画になったそうだ。外国人のご主人とのちょっとチンプンカンプンな会話が面白く、国際結婚って面白いなと思ったものだ。最近はイスラーム教徒との国際結婚も珍しくなく、相談室にもこれからご結婚を考えていらっしゃる方が沢山いらっしゃって、「彼がこう言っているのはなぜでしょう」「イスラームって難しいのですか」と相談に来られる。日本人同士でも生活を共にすれば最初は戸惑うこともあると思うが、共通の価値観を持ってゴールインするまでの道のりを一歩一歩進めるようにお手伝いをさせていただいている。その後、ご結婚の披露宴のお写真を送ってくださる方もいるし、お子様が生まれたとご報告をいただくこともある。先週はトルコの方、インドネシアの方、イエメンの方とお付き合いをされていらっしゃる方々からご相談をいただいた。今年も留学生や研修生が沢山来日し、職場や大学、日本語教室で、また海外でいろいろな出会いがあるだろう。「彼の言うことが良くわからなくて」「何から勉強したらいいのでしょう」そんな不安を抱いている皆様、日本語で丁寧にお話ししますので、安心してご相談ください。

ハナミズキ
4月10日
先週末から桜の見頃が続いている。数日前からは風にあおられ落花盛んだ。家の前の公園、近くの川べり、どれも奇麗なのだが、その中でも、毎日の通り道にある廃校の校庭から延びる桜の枝は淡いピンクの花が昼は青空に、夜はライトに映えて一際きれいだ。ふと、この木は樹齢何年なんだろうと思った。廃校になった元小学校の建物は、今では地域のコミュニティセンターとなり、校庭ではお年寄りがゲートボールを楽しんでいる。子どもの頃にはこの小学校へ通ったのかもしれない。誰かが最初に植えて、何十年も、毎年毎年きれいな花を咲かせてきたのだろう。いつだったか、この世に同じものは二つとないと聞いたことがある。木々の葉も、花びらもどれとして同じものはないのだそうだ。この一本の枝に咲いている桜の花、隣の桜の花、一体どれだけの数の桜の花が今年は舞ったのだろう。本当に短い桜の季節。少しずつ枝から緑の新芽が見え始めた。

桜の風景
3月31日
相談室には若い方ばかりではなく、中高年の方からも多くご相談を頂いている。皆さま熱心に宗教の勉強をされイスラームにも興味を持ち、「イスラームを勉強したいのですが、何かお勧めはありますか」「イスラームの現世観・来世観はどのようなものですか」など、真剣に質問してこられる。ご希望の方にはお勧めの書籍などご紹介しているが、クルアーンを読んでみたいという方もいらっしゃる。オリジナルの聖クルアーンはアラビア語で書かれている。初めてアラブ圏に旅行に行った時に博物館やモスクで古い『聖クルアーン』を見たが、普通サイズのものから、一抱えもありそうなほど大きなものまで、美しいプリントの紙を使っていたり、文字の周りにアラベスク模様のような綺麗なデザインを施されていて、書物というより工芸品のような美しさがあった。草書体のようにつながった文字は模様のようで、こんな字が書けたらいいな…と思ったものだ。その後、一念発起、文字自体はすぐに覚えらたのだが、書いてみるとあの美しさとは天と地の差。アラビア書道を習ったことのある知人に聞くと、アリフという一見一本の線のような文字をマスターするには10年かかると言われたとのこと。アラビア書道の道は険しそうなので諦めたが、せめて美術館の古いタペストリーに織り込まれた文字が読めたら、モスクの壁面に描かれた文字が読めたら、どんなにワクワクするだろうな、と今でも思っている。

レンギョウ
3月24日
相談室オープン以来使い続けてきたパソコンが駄々をこねだした。時にはなだめすかし、時には叱咤激励するのだが、動作が遅い…固まる…を繰り返していた。何とか凌いではいたが、とうとう新しいパソコンにお役目返上となった。バックアップを取ると、これも実にスローペース。新しいパソコンへのインストールは驚くほど早く終わり、おぉ〜っ!と感動の声を上げてしまった。技術は日進月歩。先日の新聞には医療の分野における、日本の技術力について特集が載っていた。人工の血管や関節、眼内レンズ、また手術の道具など、次々に改良され、病人の生活の質を上げ、命を救っているのだそうだ。次のパソコンに乗り換える頃には、どれほど進んだ技術が私たちを驚かせているのだろう。技術の進歩に乗り遅れないように、まずは新しいソフトとパソコンを使いこなすことから始めよう。

ツツジ
3月17日
寒さが緩んだので久しぶりに街へ出かけてみた。コートもいらず、歩いていると汗ばむほどだ。通りの桜のつぼみは膨らみ、デパ地下には桜色のケーキや和菓子が並んでいた。あれこれと見比べ歩いていると、お惣菜にも原材料が書かれている。アレルギーの方用に明記しているのだと思うが、そんなお店はお客で賑わっていた。アレルギーがなくても「食材に気を付けています」というお店への安心感があるのだろう。そういえば、イスラーム圏からお仕事に来ているコックさんたちにかぼちゃの和菓子を差し入れたことがある。「何が入っているのかわからないので、一度も食べたことがありませんでした。初めて日本のお菓子を食べました」と、とても喜んでくださった。以前は原材料を聞いてもわかりませんとそっけなかったが、今日では、聞けば快く調べてくださる。ムスリムの友人と一緒にケーキを選んでいて、ゼラチンの種類を聞いたときにも丁寧に調べてくださった。そんな細やかな対応がとても心地よく思える。今日はおいしい緑茶を入れて、買ってきた桜餅とよもぎ団子をいただこう。

桜; 江戸彼岸
3月11日
ここ数日雨模様で気温も下がってきていたが、今日は久しぶりに快晴だった。風は強く、まだ肌寒いが、青空を見ていると春が来た気分になる。3月は卒業シーズン。昨年、卒業論文やゼミの発表などでインタビューに訪れた学生さんから、無事論文を提出したとお礼のメールをいただいた。卒業旅行にはマレーシアとシンガポールに行ってくるとのこと。トルコやエジプトに行かれる学生さんもいて、イスラーム圏での旅について相談を受けることも多い。4月からは社会人。長期のお休みもなかなか取れなくなる。それほどのんびり、ゆっくりとはできないだろうが、現地でイスラームのホスピタリティに触れ、良い思い出のページを増やしてくださればと思った。

ユキヤナギ
2月28日
今朝、家を出るとき「ホーホケキョ…」ウグイスの声がした。どこからだろうと見渡すと、まだつぼみもない向かいの公園の桜の大木から聞こえてきていた。今年は暖かいので早く山を下りてきたのだろうか。バンクーバーオリンピックも幕を閉じ、2月も今日で終わり。今年の冬は異常気象のせいか、2月なのに最高気温が22度の時もありとても過ごし易かった。とはいえ、オリンピックは雪不足で競技などに支障が出たという。エジプト旅行から帰ってきた友人は「毎日30度を超える暑さで、こんなことは珍しいらしく、日に何度も日焼け止めを塗っていました」とのこと。かと思えばイギリスにいる友人からは「1978年以来一番の寒い冬で、12月からずっと寒いまま。5度前後を行ったり来たりです」とメールが届いた。日本ではしばらく暖かい日が続きそうだが、昼と夜の寒暖の差が激しく、周りでも風邪を引いている人がいる。皆様もお気を付け下さい。

ビバーナム
2月20日
男子のスケートでメダルを取り、女子のフィギュアを数日後に控えて、冬季オリンピックが盛り上がりを見せている。昼間の実況中継は見られないが、どきどきして見るのは苦手なので、結果を知ってから夜にゆっくり演技を堪能している。今日はそんなカナダから相談メールを頂いた。日本では、イスラームはまだまだよく知られていないのだが、ご両親の海外勤務や交換留学などで海外で過ごす大学生や高校生が増え、現地でムスリムの友人ができるので、イスラームの暮らしや教えについて偏見なく興味を持たれる学生さんが増えているようだ。
他にも、オーストラリアやフランスなどイスラーム圏ではない国からもたくさんご相談をいただくようになった。「帰国してから5年が経ちますが、今でもインドネシア人の友人と連絡を取り合っています」と話す受験生は、大学進学も決まり国際関係を勉強したいと言っていた。このような若者が増えていると思うと、とても頼もしい気持ちになった。

梅
2月12日
先週の寒波もすぐに去り、冬とは思えない陽気が続いている。公園ではつがいの鳩が餌をついばみ、梅の花もちらほら咲いているし、花屋の店先には色とりどりの鉢が並んで、チューリップのつぼみも色付き始めている。そんな折、知人から「アラブ圏のムスリムの方と結婚する友人にプレゼントをしたいが、どのようなものがいいのでしょう」と相談を受け、一緒に買いに出かけることになった。美しい葉の観葉植物はリビングにどうかな?毎年花が咲くものもいいかもしれない、と目移りしていると、オリーブの苗木が目にとまった。アラブ圏ではオリーブが好まれると以前聞いたことがある。店員さんも、オリーブは「平和」という花言葉があるので、お祝いに贈られることが多いですよ、と言う。早速きれいな鉢に入れて先方に送ってもらった。しばらくして、彼女からお礼の電話が入った。ご主人の実家の庭には大きなオリーブの木が何本も生えていて、自分が生まれた時に親が植えてくれたものもあると、とても懐かしく喜んでくださったとのこと。小さな苗木なので実を付けるまでには時間や手間がかかるかもしれないが、いつか花を咲かせて、枝がたわむほど実を付けてくれるといいなと思った。

節分草
2月3日
先月は天気の良い日が続き、本当に暖かくて過ごしやすかったのだが、2月に入ると一転小雪が舞い始めた。各部屋で暖房器具を使っていたら、頻繁にブレーカーが落ちてしまう。業者に来てもらうとコンセントがすべて同じブレーカーに繋がっているので、すぐに容量をオーバーしてしまうとのこと。工事をしてもらうことになった。温暖化が叫ばれている現代、昔はもっと寒かったはずなのに、家庭での暖房は火鉢や掘りごたつくらいだったはず。薪をくべるストーブもテレビドラマの中でしか見ることができない。一方、トルコでは今でもストーブで暖を取る家庭が沢山ある。地下には薪が蓄えてあって、冬になるとストーブの上でチャイを沸かしたり、煮物をしたり。扉を開けるとオーブンに早変わり!買ってきたバケットを半分に切って表面を焼き、熱々のパンにマーガリンをたっぷり塗って食べるのだが、大きなバケットがあっという間になくなってしまう。昔ながらの民家はストーブの熱を2階へ伝え、1階はとても快適に過ごせた。毎朝、薪をくべるのは重労働だし、環境問題もあるので無理な話ではあるが、例えば、これがあればブレーカーを気にすることもなく、友達がたくさん来てもこれだけで話題になるし、ストーブで作る料理も楽しい。一人の時は時折薪をくべ、ストーブの前でのんびりお茶を飲みながら本でも読もうか。商店街にはしゃれたストーブがいくつも飾ってあり、日本で使えるなら持って帰りたいと思ったほどだった。

ミモザ
1月30日
エジプト旅行から帰ってきた友人に向こうで買ってきた本をいくつか見せてもらった。と言っても読めるわけではないのだが、絵本や料理の本は見るだけでも楽しい。その中に、見たことのある絵柄が…。これは五味太郎さんのイラストによく似ているな…本当によく似ている。アラブ圏でも同じようなイラストを描く人がいるのかな…と作者を見ると、やっぱり彼だった。そのユーモラスなイラストとお話しが大好きで、絵本もいくつか持っていた。友人は向こうで『源氏物語』や吉本ばななさんの『つぐみ』も見つけたと言っていた。有名な文学作品や爆発的に売れた『窓際のトットちゃん』などたくさんアラビア語に訳されているらしいが、日本の絵本も人気があるのだそうだ。もちろん欧米の素晴らしい絵本も沢山あり、アラビア文字に訳されたそれらの本は国籍を超えてなじんでいる。観光地巡りの合間に、ちょっと本屋をのぞいてみるのも楽しそうだ。

玉之浦椿
1月22日
相談室に通う途中に動物病院がある。子供のころから生き物が好きで、獣医さんになるのが夢だった頃もあり、中はどうなっているのだろうかとガラスのドアの外からちらちら覗いていた。正月明けにも大きな犬やキャリーバックに入れられた猫が持ち込まれていて、中には病院が怖いと思っているのか、引きずられるように入っていく犬もいる。姉の家で飼っていた猫は、まだ目が開かないうちに捨てられていた。親猫が育たないと思って捨てたのだろうか、小さいころからよく病院のお世話になったが、21歳の天寿を全うした。我が家の元気いっぱいのウサギは相変わらずグフグフと突進してきていたが、連休中に急に具合が悪くなった。人間なら失神しそうなくらい出血して、痛みもあるだろうにじっとうずくまって耐えている。はからずもウサギと一緒に動物病院のドアをくぐることになった。ウサギの麻酔は難しいと、様子見で頂いた薬を飲ませるのだが、わけのわからないウサギは暴れて両手が引っかき傷だらけ。あなたも大変だけれど、私も大変なのよ…と、ミミズ腫れした手をさする。結局入院したが、お陰様で手術も成功し、驚くべき回復力で先生にもグフグフ文句を言っているそうだ。今日は退院日。雑種の、普通のミニウサギだけど、我が家の大切な家族。また、グフグフ言って、元気いっぱい跳ねまわって欲しい。

サザンカ
1月13日
海外をバスで旅行しているとその広さに圧倒されてしまうことがある。トルコ旅行でどこまでも続く菜の花畑を走った時には、辺り一面モンシロチョウが飛び交い、地平線の向こうに見える岩山は、どこまで走っても近付いてこない。映画のロケに使われたという深い渓谷は刻一刻、色に染まる。そんな景色を楽しんでいると、街と街の間に小さな集落が現われてくる。人里離れた小さな村にもモスクのミナレットが見える。そんな田舎町を散策していた時のこと、モスクに羊を連れてきている人がいた。犠牲祭でもないし何だろうと思っていたら、赤ちゃんが生まれた命名式のお祝いなのだと聞いた。その日の午後には、ご近所にもお肉がふるまわれ、旅人の私も羊肉のごちそうをいただいた。この広大な大地の中の、小さな村で生まれた小さな命。旅行ではただ通り過ぎるだけの町にも沢山のドラマがあるのだと、当たり前のことだが気付かされた一日だった。

水仙
1月5日
正月休みも終わり、さぁ今日からお仕事!と郵便受けを開けるとたくさんの年賀状の中に、ウエディング姿の葉書があった。数年前、こちらで相談を受けて入信をされたB・Mさんだ。その後、縁あってトルコのかたと知り合い、今は向こうで幸せに暮らしていらっしゃるとのこと。トルコらしく、純白のドレスに赤いリボンを結び、新郎と寄り添う写真はちょっとはにかんだ笑顔がとてもかわいく、大きなリボンを結んだ車や披露宴会場でポーズをとる写真もあった。「噂で聞いていたけれど、トルコの披露宴は最初から終わりまでずっと踊っていてびっくりしました」とのこと。 春には赤ちゃんも生まれるそうだ。もうお名前も考えていることだろう。「家庭を持つって大変だなあ、と感じてますが、その分幸せもたくさん感じてます」。文面に彼女の幸せそうな顔を想い、物静かで、少し緊張して、でもイスラームを知ろうと決意して来られたあの時の彼女の顔を思い起こした。

バラ
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